
シュールな関係
第12章 迷惑な訪問者
もう十分感じてるけど、
この人達はお金があると
人の心さえどうにでも出来ると
思っているのかしら?
「確かにお金は必要です
だけどこれって
買収みたいですよね?
どんな形にしろもう彼を
裏切るようなことをしたくは
ありません
借金も自分で働いて
返すつもりですので・・・」
「欲がないというか・・・
君は甘いね
正直受け取ってもらうつもりで
来たんだが・・?」
「わたしが受け取った方が安心
されるんでしたら事業団体でも
何処にでも寄付なり好きに
わたしの名前でしてください
これで満足ですか?
「申し訳ありませんが
今からバイトなのでお引き取り
下さい」
「会員制の日本料理店での
バイトだったね?」
どうせ調べてるから聞く前から
分かってるんでしょ?
タヌキおやじめっ
「そうです」
「今夜 私も予約してるの
で一緒に車で乗って行かないか?
奈緒さんが働いてるのを知ってか
ら会員になったから」
このタヌキおやじ・・・
何考えてるの?
わたしが息子と縁を切れば
終わりなのに
今さら会員になるなんてちょっと
おかしくない?
