シュールな関係
第7章 王子の約束と親の気持ち
「は・・・はい」
恐る恐る答えなおす。
「一之瀬さまのご自宅に
ご案内いたします
こちらにどうぞ」
とリムジンに案内される。
な・・・なに?
このシチュエーションは!?
ありえない! ありえない!!
乗る前に
ちゃんと確認しないと!
「あの 一之瀬さまって…
一之瀬雅也さんですか?」
もしやお名前のお間違えでは?
「はい
雅也坊ちゃまでございます」
ガーーーン
ハンマー並みのショックが
頭を直撃し目まいが走る。
「雅也坊ちゃま!?」
淡々と答えら
恐れ多 くこれ以上質問も
出来ない。
そのやり取りの間にも野次馬が
写メや動画を撮りだした。
カシャ カシャ
『きゃーーーっつ!!
やめてぇ~ 写さないでぇ!!
わたしは庶民なのぉ~
一般庶民なのよォ~~』
パパラッチに襲わ気分で
心の中で大絶叫のわたし!
「ではお乗りください」
執事が後部ドアを開ける。
「か・・かたじけない」
時代劇好きのわたし
緊張のあまりにも場違いな
言葉が飛び出す。