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彼がドSになったわけ。

第1章 ハードエロ本、現る。

『超絶ハード責め!!奴隷ドM高校生』

目隠しをされた少女の写真と、でかでかと黄色いゴシックで書かれた文字。

エロ本だ。ハードな。

開いて確認しなくても、これはエロ本です。ありがとうございます。

人の家でエロ本を見つけてしまった。

小さな好奇心で、開けてしまった引き出しには部屋の主の秘密が詰まっていた。




彼の家に来たのは、初めてではなかった。

小学生のときから、ずっと学校とクラスが一緒だった。

いわゆる幼馴染。


仲良くなったのは最近だ。

好きなマンガの話になって、それで、本の貸し借りをしあって、いちいち返しに行くのが面倒になって。

それで、彼の家でマンガを読んで帰るのが日課になった。

さわやか青少年。それが彼の一般的な評価。


物静かで人当たりの良い彼は、少なからず女子からの人気があった。

しかし、自分から人とかかわろうとすることは、ほとんどなく。

だから、彼は良い人間にもかかわらず、友人がほとんどいない。

そんな彼と仲がいいことは、私に少なくない優越感を感じさせた。


仲が良いことを自慢できる友人。

それが私にとっての、彼だった。



冠木 恭也。カムラギ キョウヤ。彼の名前だ。



しかし、冠木くんよ。

君にこんな趣味があるとは思わなかったよ。

引き出しには、それはもうギッシリとそういう類の雑誌がはいっていた。

そのすべてが、女性を痛めつけて、屈服させ、快楽の虜にするといったもので。

彼の性的な興味がどこを向いているかということを、はっきりと示していた。

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