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彼がドSになったわけ。

第1章 ハードエロ本、現る。

(うひゃー)

ページをぱらぱらとめくってみて、内容の強烈さにヒュっと息がもれる。

ガチじゃないですか。やだー。

これ死んじゃいませんか。ねぇ。


制服を着た少女が、太い荒縄でギリリと縛られている。

深く食い込んだ縄が、少女から安息と自由を奪っていた。

涙とよだれにまみれた顔が見える。どれほどの衝撃が彼女を責めたてているのか。

写真からあえぎ声が聞こえてくる。

左右に開かれるように、縄が足に絡み付いて引っ張ってる。

彼女は足を閉じることも許されていないのだ。

当然のように下半身には、何もまとっていない、はだかの状態。

白く光る太ももが見える。

苦痛によじれた腹が見える。

その下には、薄い陰毛と見えちゃいけない恥ずかしいところがあって、そして、そして。

なにかが挟まっている。ふとくて、凶悪な大きさの。

(これってバイブレーション?太すぎじゃない?)

凶悪な棒状のモノは少女の下の口を裂かんばかりにひろげていた。

そして、その棒の下のほうを、男がしっかりと握っているのだった。



私はごく普通一般的な女子高校生であり、当然のごとくエロ本とは無関係だった。

そりゃ興味はあるよ。人間だもの。

でもそんなものを買うほど頭がピンク色ってわけじゃないし。

インターネットは、マジメな母の手によってフィルタリングという鍵がかけてあった。

つまり私の性の知識は、保険の教科書と、よくわからない友達の話と、TEEN雑誌の2ページぐらいの特集で出来ていて。

今まで生きてきて、そういったものとは縁がなく、行為中の写真を見ることはこれが初めてになる。



とうとつに、今の状況がとんでもないことに気づく。

友達の家で、友達のエロ本を読んでいる。

しかもだ、私はどうやら、興奮しているらしい。

息が荒い。心臓がどきどきする。下腹部がみょうに熱い。

まいった、まるで変態じゃないか。

男の家でエロ本をあさり、読んで興奮して――


頭の中のまだ理性的な部分が危険信号を出す。

『はやく読むのを止めて。冠木君が帰ってきたらどうするの』

まって、あとちょっと。

私は早く読むのを止めるべきと気づきながら、なお読み続けた。

初めて見る、男と女のまぐあい。

それは私の中の、たぶん本能的な部分に強くはたらきかけていた。

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