テキストサイズ

彼がドSになったわけ。

第1章 ハードエロ本、現る。

――ごとり。

ふいに後ろのほうで、音がした。

ふと、今の状況に気づく。

なんてこった。

妄想することに夢中になって、友達の家にいることを忘れてしまっていた。

ギシッ、ギシッ。

階段を上がる音が聞こえる。

まずい、隠さなきゃ。

いそいでエロ本を閉じる。

もしも、もしも人のエロ本を読んでいたことがばれたら。

エロい女と思われてしまう。

いや、重要なことはそこじゃない。

人がいない間に、勝手に部屋をあさってしまう人間と思われてしまうほうが重大だ。





そして、急いで何冊か本を拾い上げたとき、

ガチャ、ギィー・・・と、扉が開く音が、後ろから聞こえた。






なにかが終わり、なにかが始まる。

そんな予感がした。













ストーリーメニュー

TOPTOPへ