リヴァエレ
第2章 俺はまだ戦える
「違う、違う……っ!」
「──おい!」
俺が止める間もなく、エレンは包帯の巻かれた左手に噛みついた。
思いきり突き立てられた歯は包帯を破り、傷口をさらに深くえぐった。
鮮血が吹き出し、エレンの口元を赤く染める。
「バカ野郎が!やめろっ!」
俺は焦ってエレンの左手をつかみ上げた。
弾みで撒き散らされた血が、俺の服や顔にまで飛んだ。
「俺は巨人になれるんだ、なれるんだ!ねぇ、兵長、そうでしょ?俺はまた戦えるようになりますよね?ねぇ、兵長?兵長……」
兵長、兵長、とうわ言のように繰り返す憐れな子どもを、俺はたまらず抱き締めた。
「──おい!」
俺が止める間もなく、エレンは包帯の巻かれた左手に噛みついた。
思いきり突き立てられた歯は包帯を破り、傷口をさらに深くえぐった。
鮮血が吹き出し、エレンの口元を赤く染める。
「バカ野郎が!やめろっ!」
俺は焦ってエレンの左手をつかみ上げた。
弾みで撒き散らされた血が、俺の服や顔にまで飛んだ。
「俺は巨人になれるんだ、なれるんだ!ねぇ、兵長、そうでしょ?俺はまた戦えるようになりますよね?ねぇ、兵長?兵長……」
兵長、兵長、とうわ言のように繰り返す憐れな子どもを、俺はたまらず抱き締めた。