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紳士協定布いてます

第8章 忘れられた協定

慶矩を宥めるように牧野が説明する。


「岡田、君の言う改定どころか、丸山の協定自体存在しないんだ。丸山が紳士協定自体を拒んだんだ。

新聞部の取材に応じるか否も丸山の意思で決定している。

今のところ生徒会は介入していないよ、君が姫を蹴ったことに関してもね。

つまり、自分の学園生活に生徒会のプロデュースは必要ないと判断しているんだろう。」

「うぅん、見た目に寄らず頑固な子だったわよ。惚れ惚れするような男気で、いい子ね。」


生徒会長がニヤニヤしている。


「改定するなら、ダイの協定なんじゃなぁい?」

「・・・。」

「なんで、皆、ダイなのかしら?」


巴山は両手の親指と人差し指で丸を作り目に当てる。

ダイのメガネの顔を真似ているようだ。


--ダイに問題があるっていうのか?


「慶矩君がついているんだし、もう卒業も間近なんだから、素顔の公開なんてどうかしら?
6月の創立記念祭なんかで、ぱぁ~と歌ってもらったりして!彼ね、パリの聖歌隊に居た経歴があるから上手い筈よ。」


巴山が愉快そうに、目に当てた指をパッと開いた。


「会長、ウチはキリスト教系ではありませんから・・・。」


「あ、そうねぇ。でもいいと思わない?動かなくてもよければ、メガネなしでも大丈夫でしょ♡」

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