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紳士協定布いてます

第9章 美しき血族

昼休みの美術室。


「丸山はゴールデンウィークの予定は?」


編入生課題をしている遥暉に、慶矩が声を掛ける。


「前半は編入生課題で潰れそうです。」


遥暉は手も止めず、顔も上げないまま答える。


「そっか大変だな。兄貴とは後半約束したんだよな?」


慶矩は相槌を打つと、ダイに同じ質問を投げかけた。


「ダイさんはゴールデンウィークの予定は?」


ダイは手を止めてキャンバスから顔をあげる。


「特段無い。制作かな。」


ダイの答えに慶矩がソファから身を起した。


「じゃあさ、応援に来てよ。学校で交流試合あるんだ。」

「いいよ。」


あっさりと承諾したダイに、慶矩が怪訝そうに首をかしげた。


「・・・・・?」

「・・・・どうかした?」

「ダイさんが・・・・即答・・・って、以外 だなと思って・・・。」


ーーいつもの可愛い仕草を見損なったな。


慶矩が残念がっているとは思いもしない、ダイ。


「・・・うん、父がいるから、どうせ家での制作はできないから。連休中はほとんど学校へ出てくる。」

「えっ?お父さんが来ている・・・って?」



慶矩がキョトンと訊ねる。

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