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紳士協定布いてます

第9章 美しき血族

「ああ、話してなかったっけ?
僕、駅前のマンションに一人暮らしなんだ。両親はパリ郊外に住んでいる。先日から父が来日していて、僕のマンションに泊まってて・・・。」

「来日?」

「うん、国籍があっちだから・・・。」

「ええっ?!じゃ、ダイは帰国子女じゃなくて留学生?!」

「そういうことになるかな。」


慶矩は珍しい物でも見るように、ダイをマジマジとみた。



「それにしても、ひとり暮らしは、羨ましい!」

「溜り場になるといけないから内緒だよ。」

「ダイは内緒が多いんだな。」


慶矩が笑うと、ダイは俯いてポソリと呟く。



「ごめん・・・。」

「謝んなよ。俺さぁ、ダイとの秘密が増えるのってドキドキするンだ。
何ンていうか、秘密の共有って、すっごく特別な関係って感じがして・・・。
ダイは、そう思わない?」

「・・・そうだね。」



嬉しそうに笑っている慶矩に、ダイは微かに胸が痛む。



--特別な関係・・・、君の思いと僕の思いはきっと違う・・・。
ハルちゃんは慶矩君が僕を好きだから、ああいう結果になったと言うけれど・・・。


遥暉に目線を向けると、遥暉はおもむろに立ち上がる。


「僕はこの後体育なので、もう行きます。」

「おうっ、頑張れ。」


ソファに寝そべったままの慶矩。

遥暉は静かに手を振った後グッと拳を作ってダイにエールを送り、ドアをしめた。


ーーハルちゃん・・・・。




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