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紳士協定布いてます

第2章 ラッシュの理由

発端は新年度が始まり数日が過ぎた頃。


地下鉄ホームへ下りる階段。


人の波がなかなか動かないことにウンザリしていた圭一が、何度目かのため息をついた。


「なあ、今週に入って慶矩を見かけないな」

「そうかな?」

「混雑避けて早出でもしているのか?」

「え?私鉄は同じ電車で乗ってきているけど・・・」

「俺たちもしばらく早出するか?」


「おかしいな。今朝も同じ電車に乗るのを見たけどな」

「慶矩は頭が飛び出て目立つから、居ればすぐにわかるだろ」


泰弘はキョロキョロ見回し慶矩を探すが見当たらない。




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