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紳士協定布いてます

第9章 美しき血族

智暉はソファから立ち上がり、グラスをカウンターキッチンへと片付けながら話を続けた。


「我々は犬養の血のせいか・・・自己愛が強くて血族結婚は珍しくはないし、血の濃い遥暉が皆に愛され大事されているのは自然な成り行きなんだ。

ダイはハーフだから血の純粋さを負い目に感じているのかもしれないが・・・。

それに遥暉の場合一族とは関係なく、誰にでも好かれるだろう?」


智暉が同意を求めるように慶矩を見る。


「はい。」


慶矩が返事をすると、


「それは彼が立場をわきまえて振る舞っているからだ。
皆が彼を一人前に扱うのを、ダイが僻むのはお門違いだろう?
人間性の問題だ。ダイだって分かっているんだと思っていたんだが・・・。 」


慶矩は智暉の言い分を理解しつつも、父親なのに突き放した考えだと感じた。


--ただ甘いだけの親じゃなさそうだ。



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