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紳士協定布いてます

第10章 ダイの素顔

慶矩はダイの部屋に入ったが、気まずい雰囲気が流れた。


「あの・・・ダイ・・・。」

「ごめんね、我儘だってわかってるよ。でも・・・。」

「あのさ、急に言い出した俺も悪かった。ゴメンな。」


ダイを後ろから抱きしめる。ダイが緊張するのが伝わる。


「俺だって可愛いダイを一人占めしたいけど・・・、俺の好きな人はこんなに可愛いんだって皆に叫びたい気持ちもあるんだ。」

「--?・・・い・・・ま・・・、何て・・・?」


ダイが聞き返すと、


「俺の好きな人。」


と慶矩は答えギュッと腕に力を込めた。


「・・・どういう・・・意味・・・?」


このシチュエーションでよもや違う『好き』ではないと思う。

けれどダイは慶矩の『好き』が自分とは異なるそれだと思ってきたために、どうしても確認せずには居られなかった。


「ん~~、フランス語だと、『Je t’aime.(ジュ テーム)』っていうんだっけ?」






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