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紳士協定布いてます

第3章 独占欲と優越感

泰弘と圭一が尾行を続けて数日。

慶矩が5両目あたりまで歩いて誰かと合流した。


「あれ、コンだ」

「はい?」

「うん、あのイガグリ頭の藤蔭生。向かいに住んでる幼馴染」

「ああ、あいつ・・・」

「コンの事、覚えてた?」

「新入学の頃お前よく面倒見てたじゃん」


--忘れるもんか。中3の登校初日、泰弘の脇にくっついていた爽やかアイドル顔の新入生。
明らかに泰弘のことを独占したくて不満顔を隠そうともしないガキで、俺を睨んでいた。



苦笑している圭一を尻目に泰弘は、慶矩の隣にいるもう一人の男子学生の後姿を見て呟く。


「あの後ろ姿は、最近どこかで見覚えが・・・」

「あの月陵高の学生、背高いな。慶矩と変わらなく見えるけど・・・・、まさか彼との同伴登校が目的の改札替えか?」

「ああぁ、思い出した。上出君だ」


考えているうちに3人は電車に乗って行ってしまった。




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