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紳士協定布いてます

第1章 一目惚れ

――!!壮絶美人じゃん。


 慶矩は動揺を隠すように慌てて視線をそらしスタスタと前を通り過ぎた。

気になっていつもとは違う車両だったが、彼の見える少し離れた席に腰かけることにした。

何気なさを装いその藤蔭生を振り返る。


--あれ?


彼は慶矩など全く眼中にないように、隣の席の俯いて眠る学生を少し覗き込むように見ていた。


慶矩は少し不愉快になった。

というのも、慶矩は周囲の注目を集める事に慣れていて、視線が合おうものならその相手はしばらく自分に見とれるものと思っていたのに、まったく気にとめた様子もない。


--俺、自惚れ過ぎてたかな・・・。彼ほどの美形から見たら、俺は“並”?振り返る価値なし、ってか?






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