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紳士協定布いてます

第3章 独占欲と優越感




圭一は美術に興味があるわけではなかったが、泰弘の喜ぶ顔が見たくて、長期休暇の時などは京都や東京の国立へさえ何度も一緒に行った。


こうした美術鑑賞を無駄とは思っていない。

寧ろ何かの糧になると思っている。

自分たちが目指すステイタスには必要な教養とさえ思う。

だから、泰弘が機会を与えてくれることを圭一の家族も歓迎していた。



――こんな卒業間際になってお役御免にされるとは思いたくない。

  これからも泰弘の隣にいるのは俺だ。



少し人見知り傾向のある泰弘が自分から美術展に誘うほどに傾倒する丸山遥暉に、圭一は嫉妬を覚えた。







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