紳士協定布いてます
第5章 王子のタイプ
「僕たち親戚なんだ。」
慶矩は『親戚』といった二人を見比べる。
確かに骨格は似ている。顔立ちも・・・?
「メガネ外してみて・・・・。」
「それはダメ。」
強くメガネを押さえるダイ。
慶矩と泰弘を兄弟というよりは、無理がない。
ーー今朝、ダイと丸山を見間違えたのも、的外れなわけじゃあなかったンだ。
慶矩の『にわかに信じがたい』という表情に、苦笑しつつダイは話を続ける。
「以前から、絵のモデルをしてもらっていたんだ。」
「事情があって中断していたんですけど、再開できないかって言われたんで・・・。」
遥暉が言葉をはさむと、慶矩が確認する。
「・・・で、ヌード?」
「いや、天使像を描きたいから。」
「天使・・・?」
慶矩が遥暉をみる。
「描きはじめた頃はもう少し、子ども体型だったんですけどね・・・・、ははっ。」
「そうだね、イメージ違ったかな・・・。どうしよぅ・・・。」
慶矩は目の前で、二人が落ち込む理由がわからない。