紳士協定布いてます
第1章 一目惚れ
「おまえ岡田慶矩だよな。俺、覚えてないか?小学校ン時一緒だった、上出倫典だよ」
一瞬、王子様スマイルが引き攣る。
――判っとるわ。視界に入れないようにしていたのに、わざわざ出しゃばってくんじゃねぇ。
心中で悪態をつき、遥暉の手前王子様スマイルを維持して掴まれた手を振りほどく。
「かっ、上出か。気が付かなかったなぁ。おはよ」
遥暉の頭上でキッと鋭眉を向けたが、それ以上に威圧感たっぷりの鋭い視線にビクリと肩を震わせた。
――上出ってこんなだったっけ?
小学生の頃の上出は成績もよくスポーツもでき、何をやらせても器用で性格もさっぱりしており、爽やか系で年齢男女を問わず人気者だった。
ただ慶矩に対していつも無愛想であたりがきつかったように記憶している。
――俺がライバル視してたから、そう感じていただけだろうか。