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紳士協定布いてます

第7章 スケモン

「ちょっと強引だったかなぁ。」


少し気が引けたが、深く考え込まないのが慶矩の長所だ。


「丸山の負担は減るし、俺は静かな昼寝場所を確保できたし、ダイは重要な作品を制作できる。

三拍子そろって良いこと尽くしじゃん。」


上機嫌で教室に戻った。




放課後、

約束通りダイは一人でも毎日欠かさず体育館へ慶矩を描きにやってきた。


昼休みもほぼ毎日、慶矩をスケッチしたり、おしゃべりしたりする。


慶矩はダイと会う時間が増えて気がついたことがあった。



ダイは顔を隠しているが、とても表情が豊かだということ。


遥暉は会話中も変わらずきちんと居ずまいを整え、顔や手をゴソゴソさせたりしない。

常に穏やかに微笑み、感情の起伏はあまり表面に出さない大人だ。



一方、ダイは些細なことで耳まで赤くなって、ジタバタすることが多い。

顔だけの変化で言うなら、口元だけであれだけ感情が表現できるものかと思うほど・・・・。




慶矩はダイが困った時にする、人差し指をかむ癖が気に入って、

それが見たくてしょっちゅうダイを困らせるような話を投げかけた。


チームメイト達は慶矩の事を『いじめっ子』とからかい、
慶矩は『俺だけの特権だからな。』と、ダイの髪をガシガシと掻き乱して笑った。













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