
妖狐×僕SS 短編集☆
第5章 人形
今日も私はまるでお姫様のような
ワンピースドレスを身につけて
ラウンジへ出た
「あら、セラちゃん!今日もメニアックだわっ。可愛いドレスね♡」
「野ばらちゃん...。ありがとう」
そう言って微笑むと野ばらちゃんは
また悶えて、連勝くんが哀れみの目で見ていた
まぁ...いつものことだけど
「おはよう、榊さん。...今日も学校には行かないのか?」
凜々ちゃんが心配して
声を掛けてくれるのもいつものこと。
この格好を見れば学校は休むことになると
彼女はわかっている。
でも、それでも聞いてくれるから
彼女は本当に優しい人なんだな、と思う。
「うん。ごめんね」
好きで学校にいかない訳じゃない
好きでこんなドレスを着ている訳じゃない
これも全部、
「セラたーん☆ 何食べる?」
この男のせいだ。
