
妖狐×僕SS 短編集☆
第5章 人形
「残夏...」
「あ、もしかしてお腹すいてないの~? でも、ちゃんと食べなきゃ...
...身が持たないんじゃない...?」
「っ!!」
耳元で囁かれ、思わず身震いをしてしまう。
...こわい。
そのまま固まる私をよそに
残夏は軽く朝食を済ませ話しかけてきた
「よし、じゃあ、部屋に戻ろうか」
笑顔を顔に張り付けて
部屋に着くなり残夏に抱えられ
クローゼット横のテーブルに座らせられる
「あーあ。ちゃんとご飯食べなきゃダメだよねー。痩せすぎたら似合わなくなっちゃうじゃん。その服」
「ごめ、なさい...」
そう呟くも残夏は詰め寄ってきて
髪を鷲掴みにしてくる
「いっ...!」
「セラさ、忘れちゃダメだよ。ボクはこんなにセラを愛してる。だからセラも愛して。もうこの部屋から出してあげない。ずっとここに座ってて」
ずっとボクの人形でいて
end.
