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妖狐×僕SS 短編集☆

第1章 眠れぬ夜は




「双熾。寝たい」

『はぁ。』



なんの意味もなく、セラが双熾に電話をするようになったのは、二週間前のこと。

ここ二週間、セラは寝付きが悪いのだ。


「どうしたらいいんだろう。不眠症かな、私...」


本当は寝たいのに、なのに眠気が全く無い。夜に眠れないせいで日中にはクマが出来てるは、居眠りするは...。

すると、ふいに双熾が口を開いた。


『...今からそちらに行きます。鍵、開けておいてくださいね』

「え((ツーーー...


切られたし」


来るんだ。







....来るの?!



え、何しに?こんな夜中に女の部屋に来ちゃうの、あの人?えっ、えっ、どうしよ。


そんなことをグルグルと考えているとノックの音がなった。


コンコン



「セラ様。失礼してもよろしいでしょうか」

「! ...どうぞ!」


双熾は風呂にもすでに入ったようで私服にメガネというスタイルだった。部屋に入ってきた双熾の手には小袋があった。



「...? なに、これ?」

「先日、届いた茶葉です。ティーセットをお借りしても?」

「あ、うん。」

(茶葉...)

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