涙話 -Beeindruckt sein-
第1章 仮面夫婦生活
「私は…幸せだったよ…。あの子達の成長も見られたし、あなたの側にいられたから…、
だからすごく幸せだったよ…!」
妻はボロボロと泣き出した。
そんな妻を見て俺も塞き止めていたものが壊れ、
一気に涙がではじめた。
泣きじゃくったいつかの日のように。
そして俺は泣きながら妻へ言った。
「なぁ、葵…。俺たち…やり直せないかなぁ…」
妻の名前を久しぶりに言った。
「…っ!!!…私がっ、あなたを裏切ったのにっ…!!!
私が、あなたを傷つけたのにっ…!!!」
声にだして大泣きした妻を俺は肩を力強く抱き締めた。
「君がいなければ、あの子達を育てられなかったと思うし…、
やっぱり今でも君を愛している。
もう一度やり直さないか??」
2人で抱き合いながら
その場でずっと泣いていた。
それから手を繋いで帰って
2人で夕飯を作り、
同じベッドで一緒に寝ました。
娘は妻から経緯を聞いたようで、
「お父さんやるじゃん」
なんて今でも茶化してきたりしています。
恥ずかしながら今はとても夫婦仲がよくベタベタなので
娘からは
「お父さんキモーイ(笑)」
なんて言われているけど、
良い子ども達をもって良かったなと思っています。