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涙話 -Beeindruckt sein-

第1章 仮面夫婦生活

ある日、妻と一緒に外へ出掛けた。

付き合っていたときによく通った大きな公園だ。
妻たっての希望だった。

2人で出掛けるのは本当に久しぶりで、
懐かしさに浸りながら、
両脇に木が生えた道を歩きながら
自然と手を繋いでいた。


しばらくするとベンチを見つけ腰を掛け、
妻の方を見たら微笑んでいたので少し安心した。

お互い何も話さずにいると妻が口を開いた。


「色々とありがとうね…。
最後にここに来たかったんだ」


俺はこの言葉を聞いて胸が苦しくなった。


「落ち着いたら出ていくからね。本当に今までごめんね」


驚いて妻の方を見ると、
寂しい笑顔を浮かべていた。

一瞬にして俺の頭は色んな言葉が出てきた。


ここで引き止めるべきなのではないか、
俺が望んでいた結果じゃないのか、
俺は妻をどう思っているのか…

迷いに迷った挙げ句、妻に聞いた。


「君はこれまでの人生どうだった??」


妻は驚いた顔をし、おそるおそるといったような感じで声を出した。



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