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お正月も終わり

普段の生活に戻りつつある日の夜、

菜々は架純から誘わてれ

いつもの居酒屋にいた。

『菜々さん、デリと掛け持ち

大変じゃないんですか？』

と架純は菜々に聞いた。

「最初は大変だったけど

やる事は一緒だし慣れたら

大丈夫だよ。」

と菜々は答えた。

架純は菜々の答えに

自分は無理だろうなと

思いつつ、

テーブルに置かれていたビールを飲んだ。

菜々はいつもと変わらないはずの

居酒屋なのに妙な違和感を感じた。

見渡す限り

いつもの店内に

いつもいる常連さん、

おかしいのは

注文している料理がまだ来てない。

菜々は厨房にいるお父さんの顔を

見るため席を立った。

店内と厨房の境にある

暖簾をくぐると

お父さんが１人で必死にフライパンを

振り続けて料理を作っていた。

「お父さ〜ん、お母さんいないの？」

いつもはお父さんとお母さんが

２人で注文した料理を作っているのに

今日はお父さんしかいなかった。

だから、注文してもなかなか料理が

来ないはずだ。

『あぁ、菜々ちゃんごめんね。

ウチの母ちゃん今朝、階段で転んで

病院で捻挫だってさ。

２、３日安静にしろって言われたから

こっちは大変だよ。

菜々ちゃん悪いけど、

その料理３番のテーブルに

持っててくれかいか？』

とお父さんに頼まれた。