
4年分の愛を君へ
第2章 初恋
「じゃぁ1年の時、スミレ先輩のどこに惚れたの?」
「どこって?」
「優しいところとか面白いところとかあるでしょ?
1年の時は本当に好きだったんでしょ?」
どこって言われても…。
……どこに惚れたんだろ、俺。
優しいところ?面白いところ?
今考えるとわかんねぇや。
「まぁあのときはね。
ただ、どこにかって聞かれてもわかんねぇわ。」
「まぁそーだよね。
好きな人のどこを好きかって聞かれても簡単には答えられないよね。
好きってさ、ある日突然宿る気持ちだし…。」
「なにそれw
チカさ、お前まさか好きな人いるの?w」
俺が笑いをこらえながら言うとチカは怒った顔をして関係ないでしょ!と言った。
チカも恋してんのか……。
俺と同じ思いなんだろうなぁ……。
そのあと俺達は荷物をまとめて一緒に帰った。
