テキストサイズ

君がいたから-優輝ver.-

第1章 入学

後ろに立っているその子は半分泣きそうな、
困り果てたような顔をして俺に声をかけていた。

「あ・・えっと・・そこ、私の席・・です・・。」

「あ、ああ!!ごめんごめん、勝手に座ってごめんね」

椅子からどいた拍子に、その子が小さく、
「ごめんなさい」とつぶやいたのを聞いた。

どうしてだろう。
すごく気になる。
猫っぽい・・たしかに猫っぽい。
でも、クールな感じは受け取れない。
猫にもいろいろいるし、そこはいいんだけど・・。
ああ、なんだろう。
こういう子もありだな。うん。

「ちょっとちょっと、何いー?私ガン無視ー!?」

「ああ、うるさいな、ワンコロ!購買いくぞ!」

「ええ、私もー?」

「なんか奢ってやんよ」

「まじ!?いくいくー!!」


扱いやすさでは、猫より犬のがいいんだけどね。
なんだろう、犬は友達、猫は恋人ってくくりなんだよなぁ・・。

あ、そういや・・。

「なぁ、あかねはさ。」
「なにぃー?」
「好きな人とかいんの?」
「ンー。今はいないー。優輝は??」
「そうだなー、気になる人はいる。」
「私!?」
「ばっか、ちげぇよ。犬は肉食って寝てろ」
「あー!ひどい!」
「ほら、お前の好きなジャーキーあるぞ」
「あ、それがいい!」


あの子・・名前・・なんていうのかな。
そうだ、あの子と少し話してみるか。
何が好きかな。
なんかお菓子買っていこう。
女の子がすきそうな・・・
うーん・・。
ポッキーにしとくか・・妥当なとこで。

さて、犬の散歩も済ませたし、教室もどろ・・。

「おい、犬。帰るぞ。散歩は終わりだぞ。」
「ああ、優輝!これ!これも欲しい!」
「ハウス。」
「ひどい・・。」

とかいいつつちゃんとついてくるんだよな。
ほんとに犬だな・・・。
あだ名、犬でいいだろこいつ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ