
君がいたから-優輝ver.-
第5章 気持ち
「そう。父親の次は教師。可哀相にも程があるよな。さすがにそのときはキレたよ。もうどうにでもなればいいと思った。あかねもそのときは止めに入ったよ。でも、どうにも許せなかった。それで、学校に乗り込んでいったら教師は何事もなかったのように、妹の嘘だと言い張って笑いものにしたんだよ。そこからだね、キレることがあほらしくなったのは。キレて逃げ道を作ることを忘れたせいで、あの教師には逃げられた。冷静に物事を問いただせば人間は大体ひるむんだな、これが。怒鳴り散らしたってイライラするだけで何も解決しないし、反発しあうだけだからね。冷静に問うってことを見につけたんだ、そのときに。」
そこまで話すと、俺は喉が枯れてきていることに気がついて、お茶を喉に流し込んだ。
「でもじゃあ、冷静になれる理由はわかりましたけど・・」
「何を言わせまいと制したのか、だよね」
「はい。」
「そのときに、俺がその教師を殴っちゃったんだ。あはは、今考えたらなんてアホなんだろうね、あの時はすぐ怒るサルだったからなぁ」
「サルって・・。」
「だから、多分あの教師も名前で気がついたんじゃないかな。」
「・・そうだったんですか・・」
「そ。でも、今はいい子だよー?人を殴るなんてことしないし。俺が痛いしねー。」
あはは、と笑って静かに聞いた。
「どう?これが俺の秘密。あかねの辛い出来事ってのはこのこと。あかねは妹を置いて逃げてしまったってことを今でも後悔してるから。だからこそ、妹にも未だに会えないでいる。・・・引いたわな、こんな話」
乾いた笑いをすると、沙彩ちゃんは静かに泣いていた。
瞳からこぼれるようにあふれ出る大粒の涙。
不謹慎だとは思うが、その涙はどんな宝石よりも綺麗だと感じた。
その涙に邪心はない感じ。
余計なことは一切考えてなく、ただただ悲しいから出てきたような、そんな涙。
だからこそ、沙彩ちゃんという人はとても優しくて純粋な人なのだと思えたのだ。
そこまで話すと、俺は喉が枯れてきていることに気がついて、お茶を喉に流し込んだ。
「でもじゃあ、冷静になれる理由はわかりましたけど・・」
「何を言わせまいと制したのか、だよね」
「はい。」
「そのときに、俺がその教師を殴っちゃったんだ。あはは、今考えたらなんてアホなんだろうね、あの時はすぐ怒るサルだったからなぁ」
「サルって・・。」
「だから、多分あの教師も名前で気がついたんじゃないかな。」
「・・そうだったんですか・・」
「そ。でも、今はいい子だよー?人を殴るなんてことしないし。俺が痛いしねー。」
あはは、と笑って静かに聞いた。
「どう?これが俺の秘密。あかねの辛い出来事ってのはこのこと。あかねは妹を置いて逃げてしまったってことを今でも後悔してるから。だからこそ、妹にも未だに会えないでいる。・・・引いたわな、こんな話」
乾いた笑いをすると、沙彩ちゃんは静かに泣いていた。
瞳からこぼれるようにあふれ出る大粒の涙。
不謹慎だとは思うが、その涙はどんな宝石よりも綺麗だと感じた。
その涙に邪心はない感じ。
余計なことは一切考えてなく、ただただ悲しいから出てきたような、そんな涙。
だからこそ、沙彩ちゃんという人はとても優しくて純粋な人なのだと思えたのだ。
