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表裏、一体。

第3章 恋人。

映画の途中、白内君にそっと手を繋がれ、一瞬、ほんの一瞬、驚きと不快感はあったものの、すぐに暖かな安心感へと変わっていった。
本当に観たい映画は、一人で観る主義の私は、その間に他の人の存在を意識させられることが大嫌いだなのだ。
例えば、喋る人たちはもちろん、飲食の音や、鼻水をすするなんて騒音も許せない。







そういえば、最後に私が泣いたのは、



いつだった……?









今観ている映画は、泣ける映画だと謳われていただけあって、騒音が、一段と、酷い。
ありきたりな友情活劇ではあるものの、ストーリーは良さそうなのに、集中、できない。
チラッと横目で白内君を盗み見てみる。






……冷めた目、だ。

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