あなたに会うために、
第2章 いつもの日常
日菜子の叔父の家は、
同じ町内で神社の神主をしている。
そこそこ伝統があるみたいだが、
日菜子的にはあまりピンと来ない。
昔からその神社には、樹と一緒に
五つ年上の従兄弟の神楽に会うために
行っていたからだ。
「おじさん家かー。
ちょっとめんどくさいけど、
久々に神楽にいちゃんに会えるし、
今日の学校帰りにでも寄ってみよっかな。」
そう言ってお母さんの部屋に行ってみる。
手紙に書いてあったとおり、
紫色の布で包まれた小さな箱が
部屋の真ん中に置いてあった。