あなたに会うために、
第2章 いつもの日常
「これ、か。
なんだ結構小さいじゃん。」
そう言って持ち上げると、大きさの割りに
ずりしと重かった。
「いったい何が入ってるんだろ…?」
なんとなく不思議に思い、布をほどくと、
小さな箱が出てきた。
迷わず箱の蓋を外すと、
「うわ、、、すっごく綺麗……」
そこには、金色の丸い鏡があった。
古いもののようだが、とても美しいもので、
裏面には何やら複雑な模様が描かれていた。
何重にも編まれたえんじ色の紐が着いていて、
首から下げられるようになっていた。
「骨董品かなー?
神社に奉納するものとか?
すごく綺麗だなー……。」
そうつぶやいて鏡をぼーっと眺めていると、
ピンポーン
チャイムの音が鳴り響いた。
「やば!樹来ちゃった!」
日菜子は急いで箱を元どおり包み直し、
玄関へと急いだ。