テキストサイズ

夕雲の中学生恋愛日記

第19章 良いところと悪いところ。

でも教えてくれるみたいだし、ここは頼っておこう。とはいえ、私だってそんなに馬鹿じゃないとは思う。それなりに勉強だってしてる。


「じゃ、数学から。球の体積の求め方の公式は?」

「バカにしてんの?3分の4πrの三乗でしょ。」


一年生の範囲だし、これはいたって簡単な問題。バカにしてるとしか思えない。


「お!さっすが、夕雲。じゃ、ご褒美に夕雲の良いところと悪いところいってあげる。」

「なにそれ?まず、ご褒美とかいらない…。」

「まず、良いところは…周りをよくみてるところ。悪いところはなかなか素直にならないところ。」


どうしてこんなことになったの?私、なにかしたっけ?


「祥亘、なんでいきなりこんなこと…。」

「じゃあ、次は夕雲の番。」

「…。社会から、一番最初の征夷大将軍は?」

「夕雲もおれのことバカにしてない?坂上田村麻呂。はい、俺の良いところと悪いところは?」

「言わなきゃだめ?」

「うん。」

「良いところは真剣に何かに打ち込めるところ。悪いところは人の話を聞かないところ。」

「ふぅん。」

「何!?ていうか、どうしていきなりこんなこと?」

「強いて言うなら夕雲が俺のことちゃんと好きなのかなって思って。好きっていうの俺だけだし。奪ったみたいな感じだから。俺、夕雲には嫌われたくない。幼馴染みってのもあるけど、夕雲のこと好きだから。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ