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君だったから。

第5章 私の道はどっち?

私はすぐにポケットから携帯を取り出した。

たまにしか使わない携帯の通話機能。

最後にかけたのは母で、その次には拓真だった。

出るかわからなかったが、とにかく電話してみた。

「…なに?」

「あっ…拓真っ!」

意外なことにしっかり出てくれた。

「あのさ…今日の夜に会えない…?」

「…何?俺に会いたくなったの?」

私の顔は間違いなく真っ赤だった。

「そっそんなんじゃないし!友達が会いたいって言ってるからだしっ!」

慌ててそういう。

でも、ちずにはバレバレだ。

遅いかもしれないけど…しょうがない。

「そうなんだ。いいよ。」

「ほんと!?」

「あぁ。あいつらも呼んどくから。」

また、みんなに会える…

でも…なによりも…

拓真に会える。

さっきはあんなこと言ったけど、本心は会いたくてどこかうずうずしてた。

好きすぎて…

嘘でも、もう一度拓真に好きって言ってもらいたい…

「じゃあ、この間のところに7時な。その友達と一緒に来いよ!」

そう言われてすぐに切られてしまった。

7時が待ち遠しかった。

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