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君だったから。

第5章 私の道はどっち?

別に修也が好きなわけではもちろんない。

私は拓真が好きで…好きで…たまらないのだ。

でも、同じくらい私のことを思ってくれている人がいると知ってしまった。

好きじゃないけど…ブレる。



黙っていた、そのとき。

「もういいか?行くぞ」

拓真が私の左手首を掴み、店内へと戻っていった。

私も拓真にされるがまま、引かれていった。

後ろは振り向かなかった。

いや、振り向けさなかった。

怖かったから。




でも、私はこの耳できちんと聞いた。




何かが倒れる音。


小さな呻き声。


あれは間違いなく修也のものだ。
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