檻の中の女
第6章 信頼
詩織は遠い目をしてそう言った。
「それでね、私は中学生になった。
お父さんは、私の制服姿をとても楽しみにしててくれたけど、
結局見せることはできなかったな…。
中学に入ってからの私は、
勉強しかすることがなかったの。
友達は…1人もいなかった。
小学生の時からずっとよ。
小さい時はすっごく悲しかった。
どうして私と誰も遊んでくれないの?
どうしてみんな私を避けるの?
って…。
でもそのうちそんなのも慣れた。
でもね、慣れるってことと、
平気だってことは違うんだよ…。
学校では私はいつも孤独だった…。