檻の中の女
第5章 友情
「ば、ばか!ちょっとは落ち着きなさい!」
私はブースの柵から
ナイフを遠くに投げた。
そして彼女の肩を乱暴に掴み
ベッドに腰掛けさせて、
手首を無理やり見た。
「…ひどい怪我だけど…
なんとか大丈夫そうね…。
すぐ医務室に行かなくちゃ。」
そう言ってハンカチを手首に巻こうとすると、
「や、やめて!
私は死にたいの!どうして邪魔をするの?
ここではそれさえも許されないの!?
こんな所で…こんな目に遭い続けるくらいなら死んだ
方がマシよ!」
そう言って、わっと彼女は泣き出した。