檻の中の女
第5章 友情
彼女の目をまっすぐ見て私がそう言うと、
「ば…馬鹿じゃないの?
何言ってるのよ!
そんなこと言われて、
私が思いとどまるとでも思ってるの?
それとも同情?」
「…同情…がないとは言い切れないわね。。
そりゃあ、こんな所に連れてこられたのよ?
誰だって不憫に思うだろうし、同情だってするわ。
でも、同情だけで命を絶とうとは思わない。」
私は彼女の傷ついた手に
自分の手をそっと重ね、
「私の中にはね、
あなたの、少しでも力になりたいって言う思いや、
あなたに死んでほしくないって思いがある。」