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檻の中の女

第6章 信頼





あの日、
彼女が死のうとした日から、
私たちは友達になった。




私の、
生まれて初めての友達だ。







「ねえ、あなたの名前を教えて?
310番だなんて番号以外の名前を。」




そう問いかけてきた彼女に、





「…番号以外の名前…

卯月 桜よ。」




彼女は手を差出し、



「よろしくね、桜。

私の名前は、一之瀬 詩織よ。」





そう言ってくれた。








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