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ワールドアパート

第1章 プロローグ

就職難だというけれど、医療系の就職は容易であった。

でも病院で患者に笑顔で接するなんてこと僕には出来なかったから、研修医にはならずに学校に残って研究員になることに決めた。

院の卒論はもう提出しているし、あと3.4ヶ月は暇であることは確かだった。


まだ年を明けたばかりで、寒いし研究室から出たくなんてなかったけれど
先生から呼び出されて

僕は渡り廊下を歩いているのだ。

「寒い…卒論に誤字脱字でもあったのかな…めんどくさい…」

一月半ばの渡り廊下は身の凍るほど寒くて

僕は足を急いだ。

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