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天女

第5章 陰謀

「これを受け取ってくれ」

出てきたのは一枚の紙と木刀だった。

「なんで木刀……」
自分の身は自分で護れとかいわれても困るし剣士に転生したわけではないのだ。

「女子が喜びそうな人形を渡すべきかとも思ったが
それを俺が持つと考えただけで 正直気恥ずかしくてな」

「こちらにきて家族もいないで
寂しいだろう」

「家族……?」
実は家族関係もあまり良くなかったが
その気遣いに
私は溢れそうな涙をこらえた。


「俺と家族になってほしい」

「木刀ってつまり指輪かなあ……くしを渡すみたいな」


目の前がぼやけてみえるけど

独眞の顔は少し赤い気がする。

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