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フーセンガム

第29章 渇き

(櫻井side)

雅紀と、別れて和也を探す。
どこにもいなかった。

また、誤解をさせてしまった。

言わなくても、和也は信じてくれる。

そう思ったのが間違いなんだ。

「あっ、ゲーセン…」

もしかしたら、と近づくと和也が笑顔で出てきた。
さっきのことはなかったかのように。

「かず…」

名前を呼ぼうとしたけど、ある人物が出てきた。

潤だった。

「…どうして」

なんか、親しげだった。

なんで潤と?

そんなことを考えていると、和也が泣き出した。

なんで泣いてるの?

「…っ!」

潤が、和也を抱き締めた。

どうして?
なんで?


二人の影は、人混みの中に消えていった。

俺は、人混みをかき分け二人を追う。

二人が入っていったのは、カラオケだった。

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