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フーセンガム

第30章 隣

(櫻井side)

…なんで?
どうして、キスなんてするの?

ニ「っ…翔、好き。大好き」

抱き締められる。

和也の体温が伝わる。

涙が溢れた。

「う~…」

教室は、まだざわついていた。

ニ「酷いこと言ってごめん…。」
「ううん。俺も、ごめん」

俺は立ち上がり、しっかりと和也を抱き締めた。

「好き。」
ニ「好き。」

二人で涙を流しながら、言った。

大「うわぁあ、和也くーん!翔ちゃーん!」

俺らよりも智が泣いていた。

ニ「さ、智くん?」
大「良かったね!なにがあったかわかんないけど良かったねぇ~」

智だけが、クラスで温かい目を向けていてくれた。

それほど、周りの目は痛かった。

たくさんの批判の声が聞こえた。

俺は、うつむく。

ニ「大丈夫だよ、翔。」

和也が、手を握ってくれた。

「和也…」
ニ「みんな、わかってくれる。なにより智くんが一番理解してくれるよ」

和也は、俺に笑顔を向けた。

「そうだね。大好きだよ」
ニ「ありがと♪俺もだよ」

教室のざわつきは収まり、だんだんと批判の声も消えていった。

和也には、助けてもらってばっかりだな。

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