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フーセンガム

第31章 グランプリ

(二宮side)

「ほ、ほんとに…似合ってる?」

多目的室に、翔と二人きり。

仲直りしてからはじめて二人きりになった。
付き合う前と同じぐらい緊張していた。

櫻「似合ってる、似合ってるよ」

セーラー服を着て、ウィッグを被る。

セーラー服が、妙にコスプレ感がなくてビックリした。

「でもさ…俺には似合わないよ」
櫻「あのさ」
「なに?」
櫻「夢、叶えてくれる?」

俺は、首をかしげて翔の話を聞いた。

櫻「あのさ、『私…翔くんのことずっと好きだったんですっ』って上目遣いで言って?」
「嫌だ!」
櫻「え?」
「だって…女でもできるじゃん」

女でもできることなんて、したくない。

櫻「…そうだよね。ごめん」
「…。」

寂しそうに呟く。

「…いいよ」
櫻「え?」
「アレンジ加えていい?」
櫻「うん!」

翔から少し離れた場所に内股で立つ。

「…翔くん」
櫻「なに?」
「私ね…翔くんのこと…」

上目遣いでチラッとみる。

「ずっと…好きだったんだ」
櫻「……。」

返事がない。
あれ?駄目だったかな…。

櫻「和也っ!」
「うわっ」

抱き締められる。

櫻「あのさ、美女グランプリでない?」
「え?」
櫻「和也なら優勝できるよ」
「でも…男だし…」
櫻「智も出るから大丈夫」

翔に説得され、美女グランプリに出ることになった。

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