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フーセンガム

第34章 実家

(櫻井side)

和也を迎えに行き、電車に乗る。

通勤ラッシュで、人がたくさんいた。

ニ「翔…」
「どうした?」
ニ「お尻…触られてる…」

文化祭が終わってからというもの、和也は女っぽくなった。

「え?」
ニ「…どうしよ」
「おいで」

和也を胸に抱き寄せる。

すると、和也のお尻を触る手がみえた。

そいつと目が合う。
俺は、思いきりにらんだ。

すると、手をひいた。

ニ「ありがと。翔」
「うん」

ぎゅって強く抱き締められる。

怖かったんだろう。

…にしても、和也に久々に触れた。

ニ「翔の実家ってどこにあるの?」
「…銀座」

あんまり言いたくたくなかった。
これをいうと、みんな目の色を変える。

そして
『お金持ちなんだね』
って欲にまみれた笑顔を向ける。

ニ「そっか。銀座か…お酒の匂いしそうだね」

くふふって笑った。

「お酒は、バーとかクラブだけだよ。俺んちは、しないよ?」
ニ「そっか。でも、銀座ってよくテレビに出てるから有名な遊園地に行く感じがする」
「なんで遊園地?」
ニ「わかりやすいでしょ?」

可愛く笑った。

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