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フーセンガム

第40章 会社

(二宮side)

「翔、もう泣かないで」
櫻「むりぃ…無理だよ…」
「ここ…会社だよ?」

そう言うと翔は顔をあげて涙を拭いた。

櫻「そうだった」

スイッチのオンとオフの差が凄いね。

「ネックレス…着けてくれる?」
櫻「嫌だ。」
「えっ」

ネックレスを着けることを翔は拒んだ。

「な、なんで?」

泣く寸前だった。

櫻「だってさ…このネックレスさ…」

もじもじネックレスをいじる。

櫻「またさ…水澤がさ…選んだからさ」

口を尖らしてブツブツ言った。

櫻「俺のほうが…似合うやつさ…わかるのにさ…」
「ふふっ」
櫻「な、なんで笑って…」

翔の言葉を遮ってキスをする。

「嫉妬してくれてありがと」
櫻「和也…」
「このあと…ネックレス買いに…」
櫻「行くっ!」

食い気味に言った。

「じゃ…着替えてから、お昼食べて行こうか」
櫻「うん」

翔は、社長になってから大人になったと思ったけど
全然、違うことがわかった。

まだ、子供みたいに泣くし
子供みたいに単純。

そんな、貴方が大好きだよ。

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