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フーセンガム

第40章 会社

(櫻井side)

会議が、長引いてしまった。

和也のもとへ急ごうとすると、長岡がいた。

「あ、和也は?」
長岡「…衣服課にいます」

衣服課?

「そんな課あった?」

会社の部署と、課は全て覚えている。

長岡「はい。」
「…まあ、案内して」
長岡「わかりました。」

疑心暗鬼で、長岡についていく。

長岡「ここです。」

会議室?

この会議室は、全く使っていない。
その会議室が、課?

ガチャ…。

水澤「おせーよ。」
「水澤!?」
水澤「二宮くん、奥にいるよ。これ、渡してあげて」

水澤から受け取ったのは、ネックレスだった。

「は?状況が掴めないんだけど」
水澤「とっとと行けよ。」
「だから…」
水澤「行けよ」
「だ…」
水澤「行け」

しょうがなく奥へと繋がる扉を開ける。

ガチャ…。

「え?」
ニ「…翔?」

目の前にいたのは、純白のドレスを纏った和也だった。

「和也…」
ニ「えへへ…似合うかな?」

その場から動けなくなった。

ニ「翔?」
「ごめん。」

和也に背を向ける。

ニ「え?…ダメだった…かな?」
「待って。」

感動して、涙が溢れた。

ニ「翔?泣いて…」
「ないで、ない!」
ニ「好きだよ。愛してる」

後ろから抱きつかれた。

「う…うわぁあー」

ダメだ。

感動して、感極まって…

会社ということを忘れて泣いた。

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