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フーセンガム

第41章 宝石

(櫻井side)

「俺だって、好きであんな時間に帰ってきてるわけじゃないよ!」
ニ「わかってるよ!仕事だって、ちゃんとわかってるよ!」
「じゃあ、どうして!」

横を見ると、和也がボロボロと涙を流していた。

ニ「買えないじゃん…時間は買えないんだよ…」

信号が赤に変わる。

ニ「今日は…帰んないから…」

和也は、その場で車から降りた。

「かずな…」
ニ「バイバイ、翔」

引き留められなかった。

「はぁ…」

なんでこんなことに…。

一緒に暮らしはじめて初めてのケンカだった。

ブーー!

後ろのクラクションで、我に返る。

とりあえず、車を進める。
どこかでUターンしないと…。

さっきまで、和也が座っていた助手席には和也の気に入っていたボールペンが置いてあった。

それは、俺があげたボールペンでもあった。

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