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フーセンガム

第44章 言葉

(櫻井side)

分かりやすく、喜んでくれた。

そんな和也が可愛くて微笑んでしまう。

ニ「いやっ…その…」

恥ずかしそうに目を逸らす。

でも、チラチラ顔を見てくる。

「嬉しい?」
ニ「えっ」
「嬉しいでしょ?」
ニ「う、嬉しいから…恥ずかしがってるんでしょ?」

可愛く、首をかしげた。

「ん~、和也~」

ぎゅっと、握りしめる腕に力をいれる。

ニ「あのね…」
「ん?なに?」

和也が、俺の腕からスッと抜け出て真剣な顔で俺を見つめた。

ニ「潤くんと…」
「潤と!?」
ニ「しちゃいそうになった」

『しちゃいそうになった』

頭で、言葉が回る。

「はぁああ!?潤が!?迫ってきて!?」
ニ「ち、違うのっ」

取り乱している俺をさらに取り乱せた。

「なにが!?どう違うの!?」
ニ「俺が!潤くんに迫ったの!」
「……はぁああ!?」

また、取り乱した。

ニ「翔…聞いて?」
「えっ、なんで?どうして潤と!?」
ニ「お願い…聞いて?」

泣きそうな和也の顔をみて、気持ちを落ち着かせた。

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