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フーセンガム

第46章 癖

(二宮side)

「ただいまー」
櫻「ただいま」

買い物を終え、家に戻る。

「じゃ、肉じゃが作るからお風呂の準備お願いね」
櫻「はーい」

翔の背中を見送ると、エコバッグに入っていたじゃがいもなどを冷蔵庫にしまう。

そして、キッチンに立ち、肉じゃがを作るための準備をする。

「肉じゃが~、肉じゃが~」

さっきの翔の変な歌が移った。

櫻「和也~」
「なにー?」
櫻「お湯いれちゃうよー」
「どうぞー」

いちいち、報告いらないのに(笑)

「可愛いなぁ♪」

最近は、翔が可愛く見える。

櫻「なにが、可愛いの?」
「え?翔が」
櫻「やだよ~、可愛いのは和也で十分だよ♪」

頭を撫でられる。

相変わらず、行動が甘い。

だから、不安になる。

「翔はさ…俺にしかそういう姿みしてないよね?」

おそるおそる、聞いてみる。

櫻「なんで?当たり前じゃん」

翔が、後ろからそっと抱き締めた。

「だよね」
櫻「和也は?」
「え?」
櫻「俺にしか、可愛い和也みしてないよね?」
「……わかんない」
櫻「え!?」
「可愛いのか、わかんないし…」

でも、可愛いって言われて嬉しい。
まぁ、可愛いって言うのが翔の場合だけどね。

櫻「そーゆーのが、可愛いんだよ」

俺を抱き締める腕の力が強くなる。

「ちょっと、肉じゃが作れないよ」
櫻「ふふっ、頑張れ♡」

語尾にハートマークが付くようなテンションで言われても…。

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