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フーセンガム

第46章 癖

(櫻井side)

和也を後ろから抱き締める。
『作れないよ』
とか言いながら嬉しそうに笑う。

「和也」
ニ「なに?」
「肉じゃが、どれぐらいで出来る?」
ニ「う~ん…わかんない」

可愛く、首をかしげる。

「あのさ、前から思ってたんだけどさ」

和也から離れて、カウンター越しに顔を合わせる。

ニ「なに?」
「首かしげるの癖?」
ニ「え?」

また、可愛く首をかしげる。

「ほら、またやった!」
ニ「えー?自覚ない」

『んふふ』って笑った。

「自覚ないの?」
ニ「うん。」

自覚がないなんて…余計に可愛いじゃないか!

ニ「ど、どうした?」
「へ?なにが?」
ニ「なんか…にやにやしてる」

和也が、苦笑いをしてじゃがいもを切り始めた。

「にやにや?してなーいーよぉ」
ニ「してるよ。」

呆れるように笑ったあと、
『してなーいーよぉって変な言い方してた』
って、今度は微笑むように笑った。

ニ「あとさ、あっち行ってて。肉じゃができないから」

真顔で言う和也に
『はーい』
と、返事をしてソファーに倒れ込んだ。

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