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フーセンガム

第49章 テディベア

(二宮side)

「…。」
櫻「和也…嫌だった?」
「嫌じゃないよ!」

翔と旅行に行く用意をしていた。

櫻「智たち…断ろっか?」
「ダメだよ、そんなことしたら失礼でしょ?」
櫻「…うん」

俺がイライラしてる理由はただ1つ。

翔の夏休みが全部、この旅行で潰れるということ。

「雅紀に電話してくる」

翔がなんか言ってた気がしたけど無視した。

「…もしもし」
相『もしもし?どうした?』
「旅行なんだけど」
相『あっ、また櫻井先輩の家の別荘に行くんだよ』
「え?」

そんなの聞いてない。

相『なんか、今度はコテージらしいよ』
「誰が旅行、提案したの?」
相『智だけど、泊まる場所なくて』

電話越しに笑う。

「そう。じゃ」
相『あっ、にの』
「なに?」
相『楽しみだね』
「うん」

返事をしてブチッと電話を切る。

櫻「和也…」
「コテージ、行くんだって?」
櫻「…うん」

ビクビクする翔。

「翔」
櫻「な、なに?」
「もう怒ってないよ。旅行楽しみだね」
櫻「和也…」
「智くんに会うのも楽しみだしね」
櫻「そうだね」

まぁ、翔の夏休みが全部旅行で潰れるのは嫌だけど

あんま、贅沢言えないもんね。

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